現地時間で７月１日、グランドキャニオン(Grand Canyon)から、モニュメントバレー(Monument Valley)に向け往復８時間の日帰りツアーである。

  荒涼とした丘陵地帯を西に向って延々と進む。モニュメントバレーの入口であるケイエンタ(Kayaente)でトイレ休憩。ここはすでに先住民のナバホ族(Navoho)の居留地で、ナバホ族の住居や生活の様式が復元されていた。博物館には、ナバホ族の伝統工芸品が陳列され、どういうわけか日本兵の遺品の展示もあった。

  ここから、左折して北に向かい、ユタ州との州境のグールディング(Gouldings)に向う。

  まもなく、モニュメントバレーのビジターセンター(Visitor Center)に着く。ここで、名物のタコス料理をいただく。ここは高台に位置していて、東方に写真でおなじみの三つの残丘、ビュート(butte)が並んで見える。ビュートの間から、朝日が昇ってくる写真が有名である。

  高台には、この地の保存に尽力したグールディング(Goulding)夫妻の碑が立ち、西部劇の巨匠ジョンフォード(John Ford)の作品〈写真〉を展示した記念館や実物の駅馬車(Stagecoach)が置かれている。

  昼食後、バレードライブ(Valley Ｄrive)に参加するため、センターの用意したオープンバスに乗りこむ。ここの運営はすべてナバホ族の手によって、運営されている。

  整備された道は丘の上のホテルまで、あとは、小石混じりの赤土の道をのろのろと進む。ガタガタ上下に揺れるので、カメラを構えることもできない。幸い、小雨がパラつき、砂埃の心配はない。

  バスは林立した岩山(butte)やテーブル状岩（mesa)の間をくねくねと進み、途中の高台３箇所で停車する。最も有名な景勝地ジョンフォードポイント(John Ford's point)に着いたときには、雨も上がった。ここでは、ここを訪れた人のためにナバホ族の人が馬に乗って、絶好のポジションに立ってくれる。赤茶けた土とテーブル状岩(mesa)や残丘(butte)が織り成す荒野の風景は西部劇で目にしたことがあるおなじみの風景である。

  次のポイント(Artist point)では、眼前に広大な原野が拡がっている場所を俯瞰する場所で、名作「駅馬車」の駅馬車が疾走した場面を思い出させる。

  この日は、同じ道を引き返して、グランドキャニオンに戻り、休む間もなく、グランドキャニオンの夕日を鑑賞することになっている。（本文は、阪急交通社の「アメリカ西海岸周遊８日間」に参加したパーソナルな記録です）（２０１０年７月１日）